応援メッセージ
応援メッセージ : 「九条俳句」表現者声明
投稿者 : manager 投稿日時: 2018-09-10 18:18:33 (13 ヒット)

鎌田慧(ルポライター)、荻野富士夫(小樽商科大学名誉教授 近・現代史)、門奈直樹(立教大学名誉教授 マスコミュニケーション論)、田島泰彦(早稲田大学非常勤講師 元上智大学教授 憲法・メディア法)、永田浩三(武蔵大学教授 メディア社会学)、森田公司(埼玉県俳句連盟顧問)〈9月1日現在〉各氏の呼びかけで、「九条俳句」表現者声明が9月2日、発表されました。

「九条俳句」表現者声明実行委員会では賛同者を募集しています。

以下に全文を掲載します。

 

九条俳句」表現者声明

小さな一句の尊厳のため、

「九条俳句」の検閲に抗議し、「公民館だより」への掲載を求めます。

 

 2014年、さいたま市三橋公民館の職員が、「公民館だより」に、次の俳句の掲載を拒否しました。

    梅雨空に「九条守れ」の女性デモ

掲載を拒否した理由は、「世論を二分するような俳句は、公民館の意見と誤解されるおそれがあるから」というものです。当時国会では安保法制をめぐって激しい議論が行われていて、さいたま市教育委員長は「集団的自衛権の問題が背景にあり、掲載すべきではない」と言明し、市の担当者は「別の俳句なら載せられる」と言いました。

このような俳句の思想内容を問題にした掲載拒否は、「検閲」にあたり、表現の自由を深刻に侵害するものです。憲法第21条1項の「言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と、2項の「検閲は、これをしてはならない」に違反し、また憲法第99条「公務員の憲法擁護義務」にも違反しています。

 

作者の女性は市の対応に納得せず、当該俳句の掲載を求めましたが、市が掲載を拒否し続けたため、1年後訴訟に踏み切りました。

今年5月、東京高裁は、原告・俳句作者の「掲載請求権」は認めないものの、「思想、信条を理由に不公正な取り扱いをした」ので、「人格的利益を侵害して違法」との判決を下しました。しかしさいたま市は、市側に公民館たよりの「掲載(編集)権」があると主張して、未だに作者の掲載の求めに応じようとせず、最高裁に上告しました。

 

憲法第21条1項の「表現の自由保障」と2項「検閲の禁止」は、戦前の反戦や生活苦を詠んだ句の作者が検挙された「昭和俳句弾圧事件」など、様々の言論弾圧の経験の上に設けられた峻厳な規定です。今年2月に逝去された俳人・金子兜太さんは生前、「戦争は必ず言論の自由の否定から始まる。“下からの弾圧”が怖いぞ」との言葉を残されています。

さいたま市の「九条俳句不掲載」は、一見ささやかな事件のように見えますが、これが戦前のような思想・言論統制時代の導水路となることを危惧します。「小さな一句」の尊厳を守ることが、戦後を生きる私たち表現者の責任だと考えます。

さいたま市による「九条俳句」の検閲に抗議し、「公民館だより」への掲載を求めます。

2018年9月2日     「9条俳句」表現者声明実行委員会

                      協力:「9条俳句」市民応援団/阿佐ヶ谷市民講座

                              連絡先:080-5548-9852(皆川)

 



投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。